今月は、市原商工会議所主催の創業スクールを卒業して不動産業を開業した株式会社むすびの代表取締役 菅原 勇さんに現状や市原市産業支援センターの活用についてお聞きした内容をご紹介します。(聞き手 産業支援センターコーディネーター中小企業診断士 西 泰宏 同席:事務局 田中)
西(聞き手):まず、自己紹介を兼ねて今のお仕事状況についてお話しください。
菅原:2022年秋の創業スクールを卒業し、同年11月に宅地建物取引士の資格を活かして不動産仲介業・住宅建築リフォームの請負会社を設立。現在は主に不動産仲介業として「売りたい方と買いたい方」双方のご要望に応じた提案をして売買契約に結びつける仕事をしています。相談内容は外壁塗装等のリフォームから相続による空き家の相談までトータルコンサルティングを行っています。特に仲介業務が順調で、その特徴としてお伝えできるのは良い物件を提供しているからと言えるかと思います。知り合いを経由して売却の紹介をしていただき、創業して1年ではありますが創業計画どおりに進められていると思います。
西:お客様のニーズに幅広く対応され順調に進められているようですね。今から振り返って創業スクールでの勉強はどのようなものでしたか。
菅原:始めは自分自身で経営ができるのかなと思いました。多くのカリキュラムを勉強させていただき「会社を経営することが容易ではないこと」を理解しながらテーマごとの課題に真摯に向き合い、数合わせだけの数字ではなく、根拠のある数字の組み立て方やどのように集客を行い、どのように収益を作り上げるのかなど根拠に基づく考え方をしっかりと身に着けることが出来ました。その成果として融資申し込み時に作成した創業計画書がしっかりと描きあげられたのだと思います。
西:創業スクールを卒業して1年経過しますが、卒業生同士の繋がりはありますか。
菅原:SNS(Instagram)をとおして近況を拝見したり、実際に仕事の紹介をし合ったりしている方もいます。
西:市原市産業支援センターの活用方法はどうですか。
菅原:創業スクールの受講前から未来開拓サポート事業補助金の申請書作成で複数回相談に訪れ、課題と解決方法について多くのアドバイスを頂きました。その後、創業融資での相談の折も対面とメールにて何度かご相談させていただき、結果として補助金の採択と創業融資を受けることができ、大変有効に活用させていただきました。今後も経営の相談はもちろんですが、打ち合わせの場としても活用させて頂ければいいなと思っています。
西:今後の事業展開で考えていることはありますか。
菅原:創業して1年があっという間でしたが、次年度以降は今の仕事を継続しつつ、物件の売買も行っていきたいと考えています。中古物件を買い取ってリフォームをして販売する仕事です。最近相続に関する物件相談が相談の約半数を占めており生前整理の相談も増えています。相続は不動産を通じてその方のライフプランまで考えることになります。他にも県外から高齢の方の移住ニーズが高まり地域として高齢者の働き口の確保の必要性や八幡宿駅までの農地の活用など新たな街づくりとして居住環境の維持と整備が大切だと考えています。そんな街づくりのお役に立てることがあればと思っています。
西:市原市産業支援センターに望むことはありますか。
菅原:これまでもアドバイスを十分頂いていますが、忙しく過ごしているとつい情報収集が疎かになってしまいます。今後も定期的な声掛けや情報発信をしていただくことで活用の場が広がると思いますのでどうか宜しくお願いします。
西:卒業生の皆さまが相談に来られることは数多くあります。決算書のチェックや実際に金融機関から借入をされることとなった場合、資金計画表の作成など市原市産業支援センターは中立的な立場でお話のできる場所だと思っています。是非今後も市原市産業支援センターをご活用いただけたらと思います。
菅原:まだ知らない情報や足りない知識が多くあると思いますので今後も是非利用させてください。
西:本日は貴重なお時間をありがとうございました。