今月は、市原商工会議所主催の創業スクールをご卒業され、現在は就労継続支援A型事業所flapを経営されている小出 誠さんに現状と開業をされた時の思い、そして市原市産業支援センターの活用方法についてお話をお聞きしました。
【インタビュアー:西Co インタビュイー:小出さん 事務局:藤田、田中】
西Co:では最初にお聞きします。自己紹介を兼ねて今のお仕事についてお話ください。
小出さん:合同会社ヴァンガード就労継続支援A型事業所flap代表の小出 誠と申します。事業内容は障がい者福祉事業で、内容は就労継続支援A型事業所として市内の企業向けにお弁当の製造・販売と宅配を行っています。本事業所を開所するにあたっては「人員」と「設置基準」の厳しい要件を満たし県から認可をもらいました。障がいや難病のある方々と雇用契約を結び、最低賃金額以上のお給料を支払った上で一定の支援の下で働いていただいています。
西Co:今は何名の方で事業を行っていますか。従業員の方や利用者さんの状況について教えてください。
小出さん:現在は正社員2名、パート9名、当社の利用者さん(障がい者等の従事者)16名で事業を行っています。利用者さんは軽度の障がいを持った方々なのでお弁当を作る作業をする方もいれば一人で配達できる方もいます。一人ひとりに合った仕事を担当してもらっています。また仕事をしながら成長してもらうことが私たちの支援の目的です。パートさん(無資格者)の役割としては、配達員や職業指導員、生活支援員を担っていただいています。こちらは県から運営するための配置基準が定められているためです。私たちの使命として利用者さんを雇用して、将来は一般就労の障がい者枠雇用へと送り出し、最終的には国へ納税をしてもらえることを目標としています。
西Co:利用者さんに寄り添いながらも皆様の将来の姿を考えた事業をされているのですね。今回小出さんがスクールに出たきっかけは何でしたか。
小出さん:きっかけは友人からの紹介でしたが、事業を始めていた私としてはその他にも二つ理由がありました。
①事業所の移転を考えていた為、事業計画の作成について相談を検討したかった。②基礎を学ばずに事業を始めてしまった為、スクールを受講して基礎を学び直し、事業へと活かしたかったことが理由です。
西Co:では実際にスクールを受講されて役立ったことはありますか。
小出さん:はい。事業の移転計画を作る際に軸となるものが演習で作成できたことやコーディネーターの先生方がいる中で事業計画書を作れたことが大きかったです。さらに他の受講生の事業を知ることができたことも大変勉強になりました。
西Co:スクールの卒業生との繋がりは今でもありますか。
小出さん:中々忙しくて時間が取れませんが、卒業して半年から1年経った頃に近況報告をしてみたいと思っています。
藤田:小出さんが本事業である福祉と飲食業を選び、立ち上げたきっかけはどのようなものですか。またなぜ市原市で創業されようと思われたのですか。お話を聞かせてください。
小出さん:はい。前職は大手企業の子会社で技術職として働いていました。仕事内容は土木の施工管理や高速道路の点検などです。主に発注者である大手企業と受注者であるゼネコン会社の仲立ちをする役目で双方の指示を明確に伝えたり、図面を書いたりしながら26歳まで勤めていました。
当時の仕事も社会の為に役に立っているという思いはありましたが、あまりにもステークホルダーの範囲が広すぎて役に立っていることが明確ではなかった様に感じます。しかしながら今の仕事は利用者さんやお弁当を注文してくれた方々の為に役に立っていることが実感できます。実は妻の紹介で知り合った今のコンサルタントとの出会いが事業の立ち上げに至るには大きな存在でした。当コンサルタントは開業から運営までサポートしている方であり、いつか起業をしたいという気持ちがあった私としては起業は明確な目標に変わっていったのです。そして26歳の時から在職しながら準備を進めていました。
〝なぜ市原市であったか〟と言いますと、配達する事業では土地勘があることは有利だと思いましたし、折角ならば実家のある市原市で納税したいと思ったからです。私の思いとして、この事業を始めたのは何よりも後悔しないためであったと思います。
〝やらない後悔よりやった後悔の方がマシだな〟と思った事が大きかったかもしれません。
西Co:そんな熱い思いで創業を決断されたのですね。さてここからは市原市産業支援センターの活用方法についてお聞かせください。
小出さん:はい。市原市産業支援センターでは色々な専門家の方々に無料で相談ができ、大変素晴らしい場所だと思っています。それは先生方ご自身が経営者というお立場であるため、経営者の先輩にお話を聞くことが出来るだけで勉強にもなりますし、会えることが貴重でもあります。そして、各々の先生に予約が出来るシステムなので、ギブアンドテイクのような関係性でなく、こちら側が与えなくても答えていただけることが活用する側として大変有難く思います。さらにセミナーも沢山開催されているので、必要だと感じることや興味のある内容にも積極的に参加させてもらっています。
西Co:今後の事業展開はどのように考えていますか。
小出さん:「短期的な目標」としては事業の移転計画を進めて従業員達が安全で作業しやすい場所を確保できるよう努めることです。そして売上アップを狙っていくことです。また「中長期的な展望」としては〝就労型事業所と言えばflapさんに行けばいいよね〟と言ってもらえるようになれたら嬉しいですね。
西Co:是非期待しています。今後、市原市産業支援センターに望むことはありますか。
小出さん:望むことは現状のままのセンター運営を続けていって頂きたいと思っています。経営のステージによって課題も変化していきます。変化するときには失敗してしまう場合もあると思います。そんな時にサポートをしてもらえたら嬉しいです。
西Co:勿論です。市原市産業支援センターは中立的な立場でアドバイスを行うことが出来る場所だと思っています。皆さんには支援が必要だと感じたときに利用いただける場所として是非活用していただきたいと思っています。これからも職員一同サポートしていきます。
小出さん:是非宜しくお願いします。
西Co、藤田、田中:本日は貴重なお時間をありがとうございました。
小出さん:ありがとうございました。