経営理念は酒類、食品の販売を通じて、お客様の潤いのある楽しい生活を応援します。
株式会社ジビショウは1932年に祖父が食料品小売店として創業致しました。祖父が始めた頃は昔ながらの地元商店といったお店で食料品や日用品等の販売を行っていました。その後、酒類販売の免許を取得して、現在で言うコンビニエンスストアのような形態を取ってきました。
祖父の事業を手伝っていた父親が、私が生まれた頃にガソリンスタンドを始めました。直接、話し合ったことはありませんでしたが、祖父も父もこのエリアで色んなことを先駆けて行っていく考えがあったように思います。
自分が家業に携わるようになったのが、20代半ばの頃です。その頃はまだ、ガソリンスタンドの経営もしていました。数年後、元々の食料品店を私の代でお酒のディスカウント販売を始めました。お客様に好評を頂けたことで、一定の基盤が出来ました。
ただ、酒類販売の免許緩和で徐々に競合が増えてきた時期でもありました。大手と競合したときに物量等は太刀打ちすることが難しいと判断して、差別化を図るために地酒メーカーとの取引に注力するなど「こだわり」を重視した路線に進んでいきました。
その流れで新風堂リニューアル時、嗜好品・ケーキ・自家焙煎コーヒー等も取り入れるようになってきました。そこからチーズケーキ・プリン・食パンと経営環境やお客様の嗜好の変化に合わせてどんどん変化して生き残ってきました。
弊社の商品はチーズケーキやプリンなど、カテゴリー的にはポピュラーなものを取り扱っています。その中で、お客様にどのように受け入れられるか、ひねりをいつも考えます。流行りなどで変わることもありますが、地元の食材を使うなど。ポピュラーな物を扱いながらもネーミング、パッケージ、瓶などで少しずつずらす、ひねるようにしています。
大切にしてきた「おたがいさま」の心、「大切にしたい会社」を受賞してから
対外的においては、目に見えての変化はありません。授賞式に社員と共に参加しました。今回、ご評価いただいた項目でもあり、当社で大事にしている「お互い様」を更に深堀りしていこうと意識が高まったように思います。
当社ではスタッフからのアイデアを商品に取り入れています。その為のコミュニケーションは重要だと考えています。まだ、十分ではないかもしれませんが経営理念を中心に、商品開発やサービス付与について、理念に基づいているかを共有するように心がけています。例えば、この商品はお客様がワクワクする、楽しくなる、記憶に残るものか、会話が弾むかなというのを気に留めながら考えるよう共通認識を意識しています。
他にも、社内報「おたがいさま」を発行しています。この社内報ではこれから売り出す商品の情報共有だけでなく、毎回交替で従業員の紹介コーナーを設けています。弊社は新生の店舗とアリオ市原に店舗を構えています。また、同じ店で働いていても製造と販売等、他部門で働いている人の業務を見ることはあまりなく、距離感が生まれてしまいます。この社内報を始めて数年になりますが、従業員が意欲的に取り組んでくれており、従業員間の橋渡しに貢献しています。
また、お客様とのコミュニケーションも大切にしています。お客様の声を聴くためのアンケートハガキは何年も前から継続して続けています。
このアンケートは千葉市に本社がある株式会社オオクシさんを参考にしました。自分も通っている床屋ですが、毎回必ずアンケートをくれます。
お客様アンケートは非常に貴重です。大体、アンケートでは良いことを書いて下さる方が多いのですが「前の方が良かった」「あの商品を再開して欲しい」といった声などをダイレクトに聞くことが出来る。そういった声があるからこそ弊社も変化を続けていくことが出来ています。
地域に根付いた企業をこれからも目指して
私は次男だったので、家業に携わることはないと思って小さい頃は過ごしてきました。将来の夢も東京でサラリーマンになること。東京の大学を出て、そのまま就職して夢は叶えましたが、勤めてから数年して、先代から「戻ってこれないか」と言われたことで市原市に戻ってきました。
家業に携わるようになってから、意外に商売が好きだと自身で感じたことは驚きました。その気持ちが今も私の原動力になっています。
正直に言えば、子供の頃は「なんでこんなに田舎に生まれたのか」「早く東京に行きたい」と思っていました。
戻ってきて、気づいたことは自分が育ち、大学まで行くことが出来たのは祖父と父が地元に根付いて仕事をしてきたこと。そして、支えて下さるお客様がいて下さったことです。それに気づかず、地元に負の感情を持っていたことは、若気の至りであったと思っています。
今後の展望として、規模を何倍にするといった目標は特に持っていません。このエリア、市原市で永続できる企業を目指しています。以前から地元の小中学校の職業体験の受入れなどを行っていますが、そういった地域との関わりは今後も継続していきたいですね。
自分の後継者はまだ決まっていません。将来、後継者が出来た時には今よりも更に地域のお役に立つことを目指して、今後も地域に根付いた店としてお客様と関わっていきたいと考えています。