廃棄物の収集運搬から始めて、現在はリサイクルまで行う
弊社は1976年に一般廃棄物の収集運搬業を行う会社として創業しました。現在では一般廃棄物だけでなく産業廃棄物の収集運搬も行っており、環境に配慮したリサイクル事業にも力を入れています。リサイクルに関しては1994年にビン・缶のリサイクルを行う工場を五井に設立しました。そこから徐々にリサイクル部門を拡大していき、現在に至っています。また、弊社の長柄工場では、隣接して「みどり工房」を設けており、そこでは食品残さをリサイクルする過程で生産された「循環型食品リサイクル堆肥」を始め、ケール等の野菜の生産・販売も行っています。
弊社の経営理念は「廃棄から物づくり人づくり」であり、社訓として「社会貢献・お客様満足・社員満足」の3本柱を掲げています。元々は経営理念というものを明確に定めてはいなかったのですが、兄弟で話し合い、「環境に一番近い仕事だからこそ、環境を一番大事にする。」「廃棄物を廃棄物として捉えるのか、資源物として捉えるのか。」と議論を重ねて決めました。
経営理念を実現する為、行動規範の「SACK」を策定しました。
・S(Speed&Safety):全ての人たちのために「信頼される安心」を
・A(Active):全ての人たちのために「+1行動」を
・C(Clean&Cool):全ての人たちのために「クリーンにクールな対応」を
・K(Kindly):全ての人たちから「ありがとう」を集める100年企業に
これら従業員のSACK行動が見えるように情報管理アプリで簡単に報告できる仕組みを作っています。
社員自身が講師となって行う教育制度『○○塾』
弊社で取り組んでいる特徴的な教育としては「課長塾」を始めとした勉強会の制度です。これは毎回、講師を担当する社員がテキスト作成から話の内容まで作りあげて行う勉強会です。この取り組みによって、講師を務める社員には自身の業務を洗い出すきっかけになり、受講する側の社員にとっては他者の仕事内容への理解を深める機会となっています。以前は弊社には人事・広報課という課がありませんでしたが、この課長塾での提案により専門の部署として設立されました。
また、人事における評価制度についても従来は外部のものを使用していましたが弊社の業務内容や組織体制にもっと即したものにする為に、課長塾で議論を重ねて自社独自の評価制度を作成しました。
現在では「係長塾・部長塾・主任塾」と各段階での塾制度を行っています。
従業員の提案を受け入れる風土
弊社も今のような組織になるまでには随分と時間がかかりました。他の会社でもあるかもしれませんが「提案しても聞いてもらえるのか」「どこかでその提案が止まってしまうのではないか」そういう雰囲気があったかもしれません。
ある時に、収集運搬車を入れ替えたいという要望が出ました。収集運搬車は決して安くない投資になりますが、従業員がちゃんと下調べを行った上で提案してきたことから、思い切って要望通り導入しました。それは社員達にとっても驚きであったようです。
「本当に社長はダメと言わないんじゃないか?」そんな風に思ってもらえたようです。そこから徐々に提案も増えてきて、現在の会社ロゴや制服も社内アンケート等から出来上がりました。
私が嬉しく思っていることは、従業員発信で「ああしたい」「こうしたらもっと良くなるんじゃないか」という雰囲気が出来てきたことです。時々、どんな大きな要望が来るのか今では怖くなる時があるくらいです。
社内見学ツアーの実施
弊社では近年、社内見学ツアーを行っています。このツアーは全社従業員から参加者を募り、毎回各部署から数人ずつ参加があります。ツアーでは工場の裏側を見学して、昼食を共にします。弊社では複数の場所に事業所や工場があり、普段は関わることがほとんどありません。この取り組みを通じて、他部署・他工場との従業員の交流に繋がり、お互いの事業内容を知る機会となっています。
市原で大切にしたい会社を受賞してから
この賞を受賞して、社内でも自分達の取り組みに従業員が今まで以上に自信を持つようになったと感じます。また、2023年11月には市原市が行う「いちはらSDGsアワード2023」の最優秀賞を受賞しました。市原で大切にしたい会社で大賞を受賞したことがチャレンジ・ステップアップをするきっかけになったように思います。
今後に向けて
人づくり、人材育成には引き続き力を入れたいと考えています。どんな取り組みを行うにしても人が必要です。弊社でもかつては「会社は社長のもの」という意識が強く、物事を決めるのも管理職という認識が社内にあったように思います。今回、お話しした様々な取り組みを時間をかけて行い、徐々に働く皆さん自身の意識も変わってきてくれています。それぞれが自分の居場所を愛着を持って作り上げていくような環境を整えていきたいですね。