社名のルーツは“三鬼大権現”。環境の守護神として地域に貢献
三鬼産業株式会社は、昭和35年に広島県にて広島建物保全株式会社として設立された後、昭和38年1月に取引先の移転に伴い、千葉営業所を設立したのがスタートです。同11月に業務の進展に伴い社名を変更。現在の「三鬼産業株式会社」を設立しました。
現在はビルメンテナンスや事業系の一般ごみの収集運搬等の建物総合保全、石油精製、石油化学工場等の各種塔槽等のプラント保全を中心に行っており、その他にも(特別管理)産業廃棄物の収集運搬や各種請負業務や人材派遣もやらせていただいております。
社名に使われている「鬼」についてですが、広島県から千葉県に会社を移設するに当たり、不安を払拭するため、宮島にお参りに行き、大聖院というお寺でいただいたお札に、“三鬼大権現”という名前が記載されていて、そこから“三鬼”という名前をお借りしたのが社名のルーツです。
三鬼大権現は、「大日如来」、「虚空蔵菩薩」、「不動明王」の三つの神様の化身が融合した由緒正しい神様であり、あの空海が、自身が修行する際に祭った守護神、という由来があります。この話をしだしてしまうと長くなってしまい、皆に嫌な顔をされてしまうので割愛しますが、つまりはこのルーツに恥じないよう、ゆくゆくは地域における“環境の守護神”を目指していきたいと考えています。
「鬼は外、福は内」の緊急事態対策
私が経営を引き継いだ当初は、顧客満足度を第一とする考えを持っていましたが、その後、いくら意気込んでも周囲の力がないとできることには限界があることに気づかされます。それからは従業員の満足度を上げ、「人」を大切にするということを最優先しないと円滑な経営は叶わない、と考えを改めるようになりました。
また、BCP(事業継続計画)やISO14001の運用においても、従業員を中心とした『人』を大切にすることを意識して内容を策定してきました。当社にて実施している社内のバリアフリー化や、従業員の緊急時安否確認連絡網の整備等はまさにこれを意識したものです。
最近では当社の業界でも女性労働者や外国人労働者の方を目にする機会が増えてきました。これによる新たな価値観を受け入れ、ますます『人』を中心とした取り組みに力を入れていかなければなりません。
これは決して特別なことではなく、私としては「当たり前だよね」ということばかりです。そんな時、市原商工会議所さんから今回のお話をいただきました。
市原市姉崎を軸に、千葉県から全国、そして海外へ
以前は「三鬼産業は何屋さんなのですか」と尋ねられたときに、「掃除屋さん」と答えていたのですが、これでは言葉足らずであると考え、今では「環境保全美化業」と答えることにしています。今でも官公庁等への提出書類などでは、一括りに「その他のサービス」となっていますが、それでも「掃除屋さんではなにか違うかな」という思いが自分の中にあり、それならば、と自分で新たな業種を名乗ることにしました。メンテナンスや産廃処理を単独で請け負う企業は多々ありますが、これだけ総合的に行う会社は無いと自負しています。そんな当社の特徴を活かし、現在の「環境保全美化業」から「地球・環境保全美化業」へとレベルアップしていくことを目標としています。
最近ではアドバイザーとして海外企業への派遣依頼を頂くなど、少しずつではありますが「地球・環境保全美化業」へと近づけているのかな、と感じることもあります。どの業界でも同じではありますが、地道に歯を食いしばって頑張るしかありません。急成長するのは派手で格好がいいですが、一歩間違えば歯車が大きく狂ってしまうこともあります。派手にいかず、地味にコツコツというのが自分の性分にもあっていると思いますので、堅実な成長を目指していきたいと考えます。
また、今回の受賞をきっかけに、既存取引先はもちろん、それ以外の様々な方々にもお声をかけていただくことができ、「会社のイメージが変わったのかな」と実感を抱くことがありました。
今後は、後継経営者の仲間も多いですし、異業種の方とのつながりも大切にしつつ地域と企業を結び付ける役割を、市原商工会議所さんとともに担っていければいいと思います。