真面目に仕事をしていれば人は集まってくれる
有限会社常陽機設は、市原市のコンビナートのプラント内で、主に熱絶縁工事や足場工事を行う会社です。 配管設備などは1年間使用すると詰まったりすることもあるので、毎年メンテナンスを行う必要があり、工事を受託して行っています。
もともと父親が北海道で配管工事の会社をしていました。たまたま仕事で市原に出張に来たときに知り合った人から「こっちで仕事をしないか?」と誘われたのが会社移転のきっかけです。当時、私はまだ18歳。高校を途中でリタイアし、普通自動車免許を取得した2日後に市原に呼ばれました。当時は市原に知り合いもいませんでしたから、北海道に帰りたくて仕方なかったですね。
それでも少しずつ仕事が面白くなっていき、28歳のころに元請会社から現場を任されるようになりました。そのころには一家で市原市に来ていましたから、もう腹をくくって、やるなら真剣にやろうと考えました。
そういった経緯で、現在では70名以上の職人に囲まれる会社に成長しました。今になって思いますが、仕事を真面目にやっていれば人は集まってきます。その気持ちがすごく大切なのではないかと考えています。
一緒に働く人たちとのコミュニケーションが大切
社員、協力会社の皆さんに「市原で大切にしたい会社表彰」の奨励賞をいただけることになったと伝えたら「すごい!」「やった!」と全員が満面の笑みを見せてくれました。この賞
をいただけたのも、一緒に働いてくれる人たちのおかげです。
建設業界は現在、非常に厳しい労働条件にあります。そういった状況の中で、私はできる限り職人への待遇改善を行い 「ここで仕事をしてよかった」と思えるような会社にしたいと考えてきました。まず日々の就業時間をしっかりと守るようにし、労務ロスを最小限に抑えるようにすることと、会社の備品や材料等を大事に使用することを周知し、無駄使いを省き利益確保を目指す取組みを行いました。すると、この取組みだけで経費の削減につながり、利益を確保できるようになりました。そして生み出した利益の配分は、透明性を持たせ、利益が出た分の1/3を会社に残し、1/3を社員に、そして1/3を協力会社に還元するという施策を行いました。そうすると、私たちの仕事に関わっている全員が、どうしたら今以上に効率化できるかということを考えてくれるようになりました。
また、仕事をする上でコミュニケーションが非常に重要であり、プライベートでの関係性も大事にしています。花見シーズンには社員の家族も含めて花見をしたり、市原国府祭りの大綱引きに会社で参加するなど、年間を通してさまざまなイベントを行っています。こういった取組みは今後も継続し、仲間意識の向上に努めたいと考えています。
累計100万時間無事故・無災害を達成!
こういった取組みと同じくらい大切にしているのが安全への意識です。建設業は常に危険と隣り合わせの仕事であり、事故を起こさないよう最大の配慮を常にしなければなりませ
ん。命がかかっている仕事だからこそ、1日分の給料をしっかり稼いで、きちんと家に帰る。1番大切なのはそこなんです。だからこそ私自身が現場に出て、一人ひとりに目を配り、安全への意識づけを常に行っています。そのおかげで、累計100万時間無事故・無災害を達成し、元請け会社から社長賞をいただけることになりました。
市原市は私たちの仕事にとって立地条件が非常によく、地元に京葉コンビナートがあり、アクアラインを渡ればすぐに京浜コンビナートがあり、年によって多少の変動はありますが、年間を通して安定した仕事を確保できます。それを強みに安心安定な会社を目指し、今後は地元の若者の雇用につなげていきたいと考えています。