「鉄の結束で未来を造る」一流の技術力が三位一体となって社会の安全基盤を造る

株式会社ダイニッセイは、鉄筋工事の専門工事業をしております。建設業は大きく建築と土木と分かれますが、我々は建築工事の方です。創業して51年になりますが、株式会社として設立したのは1973年5月、社名も現在と違い「大日成鉄筋工事株式会社」でした。その後、1988年7月に「株式会社ダイニッセイ」と名を改め、今は従業員78名、協力業者を含めると150名ほどで鉄筋工事一式を請け負っています。「鉄の結束で未来を造る」をスローガンに、技術力と、鉄の結束（チームワーク）が株式会社ダイニッセイを支えています。
鉄筋工事には大きく分けて「施工図」「加工場」「現場」と3つの専門職がありますが、それぞれの専門で一流を目指し、全てのことにおいて三位一体で立ち向かっていくという理念で取り組んでいます。お互いに支え合い、質の高い仕事を完成させる。つまり、「技術力」と「鉄の結束」で新たな建造物、言うなれば非常に重要かつ繊細な社会の安全基盤を造っていくということです。

 

先代が守った現場の作業員への待遇、それが現在の会社の一体感につながっている

創業当時から、我々は職人を正社員として雇用してきました。その頃は職人を日給払いで雇うのが一般的で、リーマンショック後はその福利厚生費の負担で同業他社との競争で不利となり大変な時期もありました。
しかし、工事を問題なく進めていくには、やはり培ってきた経験、知識が非常に必要なものです。そこには共通のベクトルを持った技術集団としてのプライドが込められています。そしてそれは、先代から続く職人を大切にするその処遇が大きな基盤となっているように思えます。社内の結束力を強め、若い世代にも影響を与えているようです。面白そうに仕事に取り組み、先輩の背中を見ながら、仕事自体に憧れを持って成長をする姿が見られます。
また、私はこの会社に入社する前、大学で建築学を学び、その後知見を広げるために大手建設会社(ゼネコン)で勤務していました。代表取締役として就任したのは2017年、7年前になりますが、そのため職人としては一流とは言えません。だからこそ自分が苦手だった仕事を改善したいと新たな挑戦を考えつくのかもしれませんが、様々な改革に取り組んできました。その一つが「ジャバラユニット工法」です。建設現場ではなく自社工場で組み立て作業を行い、組み立てた部材を折りたたんで現場に運びます。そして、現場で元の形状に復元して取り付け作業を行います。工期の短縮、作業環境と生産性の向上を実現し、従業員の負担も平準化し、顧客からも高い評価も得ています。
新たな挑戦のたびに会社の一体感を感じますし、それに支えられて改革を遂げています。創業時から築いてきたものはしっかりと受け継がれていると感じます。

 

若い世代にとって古い会社にならないように進化し続ける

近年、汗を流す仕事に飛び込む若者が減ってきました。若い世代にとって古い会社にならないように、若い人材が集まる会社としても進化し続けています。
TikTokやInstagramなどのSNSツールも積極的に使用しています。弊社と同規模にもかかわらず求人に対して何十倍もの応募があった九州の他業種の会社に、若い世代へのアプローチ方法を学んだりもしました。これはやってみてわかったことではあるのですが、ホームページだけじゃ魅力は伝えられないんだなということを感じました。何が人気を集めるのか想像もつかない中で、虚栄を張らず、ありのまま、そのままを発信していくことが大切だと思い、実践しています。
社内報も広報担当の若手の力もあり一新しました。社内の人物紹介など登場する社員も多く、非常に読み応えがあり、洗練された良い冊子になったと思います。

他にも、県内の工業高校へ出前講座に行ったり、そこでは鉄筋の資格取得についても支援をしています。小学生にも鉄筋工事についての授業を行い、業界の認知度の向上だけでなく、自社社員の講師経験によるモチベーションアップにもつながっています。
お陰さまで毎年数名の入社へつながっていますが、永年活躍してくれた大ベテランが退職していくのでトントンですね。

 

表彰されたことで、創業以来支えてくれた市原へより一層感謝の気持ちが

「市原で大切にしたい会社」に応募したきっかけは、社内の声でした。創業以来ずっと従業員を大事にしてきたこの会社なら、受賞できるのではないか、という声に後押しされました。この度表彰されたことで、創業以来50年以上企業活動を市でさせてもらっているっていうことに感謝を感じました。
今後はスポーツの応援など、市原市に何か還元できたらと考えています。そして、何より、市原出身の若手を雇用し、この鉄筋という業界の中で一流と呼ばれるように育てていくこと、そのことを目指しています。