市原市産業支援センターの創業支援の中で令和5年1月に、人口ボディーパーツの製造販売とリカバリーメイク用品のサービスで創業しましたmamacoco.lino(代表 高橋泉さん)の案件をご紹介させて頂きます。
Q.起業を思い切った経緯は、どういったものですか
起業の動機は、家族が希少癌に罹患し多くの時間を共に病気と向き合いました。 その時得られた貴重な経験や感情を何かに役立てられないか、そう思っていた時に女性歯科技工士がエピテーゼ(人口ボディーパーツ)の製作で活躍しているという記事を見つけました。 私は、歯科技工士の資格あり、当時飲食店で働いていたもので、接客業のスキルと病気の家族と寄り添ってきた経験を全ていかし、交通事故や病気によって、外見に悩みを抱えている方の心に寄り添い、自分の商品で少しでも前を向くきっかけを作ることが出来たらと思いました。 そして、日本でも誰もがもっと気軽にエピテーゼをつけることの出来る環境を作っていきたいと思い起業に至りました。
Q.エピテーゼとは、どんな商品なんですか
エピテーゼとは、乳房や指、耳、鼻など身体を生まれつきや事故や病気で欠損した方に医療用シリコンを使用した人工物です。2020年の統計では日本人女性の9人に1人が乳癌に罹患すると言われ、乳房の手術を受けた人に対し再建率は15%程です。千葉県の2018年のデータで4,713人の女性が乳癌に罹患し77%の方が手術をうけています。その一方、エピテーゼを製作している会社はインターネット上で調べられる限り全国で30件弱。千葉県には存在しないと思われます。私はこの起業をきっかけにエピテーゼをもっと知っていただく機会が増えればと思っております
Q. 市原市 産業支援センターの支援内容について
市原市産業支援センターでは、中村俊雄先生(中小企業コーディネーター)のマンツーマン指導を重ね、創業計画書や事業計画書の作成に至りました。 また、市原市の中小企業や創業を予定している方を対象にした「市原市中小企業等未来開拓サポート事業補助金」に関して数回の相談を重ねて申請を行いました。 補助事業計画書が採択され、起業することができました。
Q.起業した後、取り組みや課題について教えてください。
エピテーゼは、一般的には認知度の低い商品であります。 私がこの技術を習得する際、講師の方々からも簡単に売れる商品ではなく、地道な努力が必要とのアドバイスを頂きました。 病院の関係者などから潜在的な需要はあるものの、お客様が購入に至るまでの事例も少ないなど販路の見つけた方がわかりませんでした。 市原市産業支援センターの相談に再度訪れ、相談させて頂きました。
販路・マーケティングの専門家のアドバイスでは、最初のお客様をどう見つけるかがとても重要であるとのアドバイスでした。 市場分析や顧客ニーズのデータがなく、広域でかつ、ニッチな商品のため、価格や販売方法など顧客がどういう場合に購入するのかを検証する必要があるとのアドバイスを受けました。
【人と人とのネットワーク・交流・つなげる力】
今回、市原市産業支援センターでは、初めてのお客様の一ヒントになれればと義手・義足でダンサーとして活躍している「キャロットYoshie氏」を紹介させて頂きました。
障がい者の立場からエピテーゼの需要を引き出す事で今後の販路のヒントに繋げればと考え、支援センターのスタッフとブレーンストーミングを実施し、ネットワーク構築の支援を行わさせて頂きました。
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キャロットYoshie氏
義手・義足のダンサーとして東京パラリンピック開会式に出場。
サロン経営、各種ダンスステージ、特別授業などで活動
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